こんにちは、カボス( @olivetrhm)です。
最近、返戻率の高さ(※1)から、よく耳にするマニュライフ生命について、
知り合いが契約しようか検討していたので、アドバイスをしたところ、
契約することを取りやめました、今回はそのお話をご紹介します。
※1「返戻率」とは契約者が支払う保険料の総額に対して受け取ることのできる「満期保険金 + 祝い金」の割合のことです。
マニュライフ生命の個人年金【こだわり個人年金】
まず、こちらの個人年金の一番の特徴といったら、【外貨建て】ということです。
どこの外貨というと、
①アメリカドル
②オーストラリアドル
この二種類です。
言うまでもなく、日本の金利は0%に近いですが、
アメリカ、オーストラリアは下記画像の通り、現在でも2%~3%の間を推移しております。
保険契約者は毎月一万円以上掛け金に支払うことによって、
マニュライフ生命が外貨に換え、アメリカの債権(オーストラリアを選んだ方はオーストラリアの債券)を購入し、その金利の一部を保険契約者に配分しています。
こんなイメージです。
日系企業のほとんどの個人年金の運用先は日本の国債の為、ほとんど金利が付きません。
個人年金の返戻率を比較
他の個人年金と比較すると、
マニュライフ生命の返戻率が突出して高いです。
こちらの表をご覧ください。
(※保険の裏技というサイトから引用させていただきました。)
マニュライフ生命の個人年金の返戻率に差がある理由は?
返戻率118%~150%とかなり開きがありますが、その理由として、
金利は常に一定の値で推移するのではなく、基本的には景気によって、変動します。
景気が良くなる⇒金利は上がる
景気が悪くなる⇒金利は下がる
景気動向によって、金利は上下に動くから、返戻率もそれに比例して、増減があるんだ。ちなみに下記表が最近の積立利率。今はアメリカの方が金利は高いね。
マニュライフ生命のパンフレットの一部抜粋がこちらです。
過去実績に基づいて、仮に1992年から積立て、
25年間経過時には28,204米ドル(保険支払い額)⇒50,099米ドル(177.62%増)
になるという記載があります。
177.62%!?すごい!日本円にすると260万円も増えちゃったの!?
実際、この結果は過去の金利に基づいているから誇大広告ではないけど、米ドルの過去の金利推移を見てほしい。1992年の時なんて、積立金利7%後半で推移し、2007年時点でも、6%を維持している。いくらなんでも、ここまで金利が将来、上昇すると考えるのは楽観的過ぎると思うんだ。
確かに。現行3%だから、そこからプラスマイナス1%くらいで推移すると見込むのが妥当だろうね。そうすると、返戻率は25年間でおそらく120%~130%程度(為替リスク考慮しない場合)
マニュライフ生命は急激に金利が低下したときを考慮して、
最低保証積立利率を設定しています。
保証っていうことは、万が一、アメリカの金利が0%になったとしても、マニュライフ生命が1.5%の金利が付くよう、補填してくれるってコトだね。
可能性は低いですが、万が一、ずっと1.5%で推移した場合、25年間の返戻率は110%未満です。
マニュライフ生命の個人年金って本当にお得なの?
ここまで聞いて、みなさん、どう感じられたでしょうか?
積立利率が3%で推移して、25年間で返戻率が130%になれば十分と、お考えでしょうか?
ただ、ここで一つ考えていただきたいことがあります。
これがもし、保険会社を介してではなくて、
自分でアメリカの債券を購入した場合、どうなるのでしょうか?
下記画像はSBI証券の債券一覧です。
三井住友が提供するアメリカの債券は3.367%と高金利です。
この債券を25年間、保有し続けたとしましょう。
そうすると、単利で84%程度になります。
投資した金額が8割増になるということです。
保険会社を介してしまうと、せいぜい返戻率130%ということは3割増です。
なので、二倍以上も開きがあります。
しかも、8割増というのは単利での計算。仮に投資して得た金額をさらに投資に回すことによって、複利効果が出るため、投資した額の2倍以上にもなるんだ。
なんでそんなに、運用結果が違うの!?積立利率は3%だから大体おんなじになるんじゃないの!?
保険会社は積立利率、債券は金利。似てるようで全く異なるんだ。そこが運用結果が大きく異なるポイント。
積立利率については、下記記事で説明しておりますので、ご覧ください。
マニュライフ生命などの個人年金に加入する理由は何なのか!?
個人年金を考えるということは、その目的は、
老後のゆとりある生活だと思います。
要はより、効率的にお金を貯めたい!
ということですよね。
だとしたら、わざわざ保険会社を介して、保険会社に余計なコストを払うのではなく、
直接、自分で債券を購入してしまった方が、余計なコストをかけずにできます。
保険だったら、節税メリットがあると主張する方もいるかもしれないけど、節税もしたいのであれば、iDeCoの方が、節税効果が高く、アメリカなどの外国債券も購入できるので、一石二鳥だよ。
このような話を知ったその知人は個人年金の契約は、考え直すことにしたそうです。
iDeCOを強要するつもりもないので、後の判断は本人が決めることですが、
選択肢をわざわざ狭める必要はなく、幅広い選択しの中から、考えたほうがいいですよね。