こんにちは、長期投資家のゆず( @olivetrhm)です。
前回の続きでカジノ関連銘柄について、考えてみました。
当初否定的だったテーマ性を追う投資手法ですが、ある銘柄については、日本にカジノができることによって、大きく収益を増やすことができると思い、記事にしました。
カジノ関連銘柄に投資!その本命は?
H I S(9603)です。
なぜかといいますと、現在、カジノの候補地として、大阪、神奈川(横浜)が最有力ですが、長崎も第三の候補として浮上しております。
そして、同社社長の澤田氏はカジノ誘致に非常に積極的で、長崎県佐世保市で運営しているハウステンボス(以下、HTB)内にカジノつくるという構想を持っています。
その誘致活動の一環として、西九州統合リゾート研究会の事務局を務めたり、HTBでは「アミューズメントカジノ」を開設するなど、対外的なアピールをしています。
カジノ関連の大本命!H I S その業績の構成比は?
こちらは前年度決算資料を抜粋したものですが、
セグメントについては主力事業のみ反映しております。
売上高構成比率は圧倒的に旅行事業が大部分を占めておりますが、
営業利益においては、HTBが76億円と全体の48%を稼いでおります。
こちらが入場者数、単価等の数値です。
国内ではHTBは入場者数288万人で第三位に位置しておりますが、
一位のディズニーランドは約3,000万人、二位のUSJは約1,500万人という数字を鑑みると、非常に大きな差があるのは間違いないですが、逆に今後の伸びしろは大きいのではないかと考えております。
仮に園内にカジノホテルを建設できるのならば、強力なコンテンツがHTBに加わり、
集客に多大な好影響をもたらします。
現にHTBや地元の佐世保市などは、以前からカジノ誘致の経済効果を試算しており、
年間来場者数500万人(プラス210万人)だったり、675万人(プラス400万人)だったりと意見は分かれますが、大幅な増加を見込んでおります。
現状の来場者数を考えると、簡単に675万人はいくのでは?と素人ながらに考えており、もっと高い水準を目標にしても良いんじゃないでしょうか。
カジノによって、増加が見込まれる訪日外国人の国籍は?
その理由は訪日外国人によるインバウンド需要です。
下記グラフは訪日外国人客の推移です。
2017年には2,800万人を到達し、直近二年間では年率20%増で推移しております。
国籍別の内訳が下記グラフです。
一目瞭然ですが、韓国人、中国人、台湾人、香港人だけで約75%占めております。
こちらがどこの都道府県に旅行に行ったかがわかる統計です。
かろうじて、韓国人だけが8.0%長崎に訪問しております。
※こちらは2016年のデータです。
つまり、現時点ではほぼ、外国人には認知されていないというのが実態です。
旅行で来日する際、カジノがある長崎ということで広告効果は計り知れないものがあるのでは?と考えております。
しかも、澤田社長は単なるカジノではなく、ロボットを活用したカジノ事業を目論んでおり、話題性が高く、SNSでの拡散効果も見込めると考えます。
そしてこちらが、日本にIR施設ができたら、行きたいかどうか確認したアンケートです。
やはり突出しているのが、中国人ですね。
政府目標の4,000万人を達成できた場合、下記4国籍だけで3,000万人、
そして、日本のIR施設に興味があると回答した潜在的顧客になりうるのは1,804万人です。
とんでもない人数になってしまいました。
もちろん興味はあるけど行かないという人がほとんどなので、このうちの三分の一とざっくり考えます。
それでも600万人のプラス。
現時点での来場者数 288万人と合算すると888万人となり、
それに追加で日本人、他の国籍の旅行者数増加が見込めるので、
1,000万人くらい目標にしても良いと考えてしまいます。
尚且つ、カジノによって、夜の時間帯の売上げアップ、
つまり、客単価の向上も見込まれます。
①来場者数(1,000万人) X ②客単価(15,000円(50%UP)) =
売上げ(1,500億円)
この①、②がダブルで収益に貢献することにより、売上高は1,500億円になってもおかしくないと思い、ソロバンを弾いてみました。
仮に現行の営業利益率を維持できるならば、HTB X カジノ事業だけで300億円の利益となります。
カジノ関連株に投資した場合の懸念点
なんて、取らぬ狸の皮算用とはまさしくこのことですが、
もし、長崎が選ばれた暁にはこのくらい大きく期待してもいいんじゃないでしょうか?
といっても、選定されたとしても、カジノができるのに工事期間として1~2年以上かかると思いますので、2020年とかそれ以降の話だとは思いますけどね。
カジノ 関連株 HIS 2018年10月期第三四半期決算数値をみて
【今期】
【前期】
旅行、ホテル事業が牽引し、営業利益は14億円増益となりました。
私が注目している、ハウステンボス事業は入場者数201万人(前期212万人)と伸び悩み、営業利益は微減という結果です。
澤田社長のコメントには
「この数年伸ばしてきたので、今は安定的に推移している」
とのこと。カジノなどの起爆剤が無いと、ここからの自然増はなかなか見込めないため、客単価を増加させるための戦略に舵を切っている様子です。
カジノ以外にも期待!?佐世保市の訪日クルーズ客100万人受入計画とは?
カジノについてはまだ未確定要素が大きいですが、
もう一つの起爆剤として、佐世保市が精力をあげて取り組んでいるのが、
訪日客クルーズ100万人受入計画です。
国土交通省のホームページを確認すると、
現在の日本全体のクルーズ旅客数は下記の通りとなっております。
2017年(1月~12月)の訪日クルーズ旅客数は前年比27.2%増の253.3万人、クルーズ船の寄港回数は前年比37.1%増の2,765回となり、いずれも過去最高を記録。
それを2020年までに約二倍の500万人まで拡大をしようとしております。
そのうちの20%を佐世保市が取り込もうとしているのです。
なかなか意欲的な計画ですが、現在のシェアはどの程度でしょうか?
佐世保市のホームページから公表されている数値(2017年度)を確認してみます。
大型クルーズ船については、84 隻(前年比 131.2%、20 隻増)の寄港があり、乗客数 10.3 万人、乗員数 3.6 万人、合わせて 13.9 万人(前年比 125.2%、2.8 万人増)が訪れる
100万人ということはこれから7倍以上に増やす必要があります。
現実的ではないのかと考えてしまいますが、
こんなニュースがあります。
長崎県佐世保市と世界大手クルーズ会社が戦略的提携、新港への安定的な寄港へ、客船寄港で優先権 | トラベルボイス
本社がアメリカにあるカーニバルコーポレーションとの提携により、寄航回数は順調に増えていくことが予想されます。
佐世保市も非常に積極的に施策を打っており、今後に期待できますね。
そして、見事にクルーズ船により、訪日客増加させることができた場合、
懸念点としては、港から市街地、観光地までのバスなどの輸送手段です。
そこはさすがの澤田社長。
抜け目ないです。
グループ会社の九州産交グループを活用すれば、バスなどのインフラ、および、人材を供給することが可能になり、そこから、ハウステンボスまでの動線が完成してしまうわけです。
カーニバルコーポレーションとの提携2018年3月のため、今後の効果がどの程度あるのかも要チェックです。
【2018年9月】
四季報を読んでみて
四季報を見たら、結構いいことが記載がありました。
熊本・桜町の再開発は19年夏に竣工。20年10月期は32.5億円の利益貢献
こちらが完成イメージの画像です。
用途としてはバスターミナル、商業(物販・飲食)、シネコン、ホテル、バンケット、公益施設(熊本城ホール)、共同住宅、保育所、事務所、駐車場商業施設、ホテル、映画館、分譲マンション、熊本城ホール等
この大型複合施設が約一年後に竣工とのこと。
そして、九州産交グループ会社が運営していくため、該社の収益に大幅に貢献します。
当該施設の総工事費755億円と言われ、
その内126億円を国、市が助成。
ホール部分は市が283億円で買い取ります。
その為、残りの346億円を九州産交グループが負担するので、投資額に対して、約10%の利益があがる計算。
ちなみにですが、該社の矢田社長は2018年7月の時点で、下記の通り語っております。
商業施設に入居する146店舗のうち、これまで約85%が決まった。
主に飲食・食品、雑貨、サービス関連」と語った。このうち、地階には福岡市の食品スーパー「フードウェイ」、4階にはシネマコンプレックスの「TOHOシネマズ」が入居する。ビジネスホテルは、名古屋市の「リゾートトラスト」。部屋数は205室。
テナントが85%決まっているというのはかなり安心材料ですよね。
国内、海外からも観光客を呼び込み、盛り上げていってほしいものです。